Episode❸ 勝浦移住生活編
 
いろんな選択の中で自分の人生が形成されていく

 

−  それでは、次に勝浦での生活について伺いたいのですが、東京にいたときと比べていいところや不便に思ってることを教えてください。

  田井さん

僕はひとり暮らしをしていて、365日外食だと言っても過言ではないくらいほぼ外食なんです。つまり、勝浦はものすごく飲食店が多いんですよ。飲食店組合に入ってる飲食店だけでも70店舗以上あるので、食べるものには困らないですね。

 

不便なところとしては、ホームセンターが近くにないので最初はちょっと困りました。 ネジを買いに行くのにも近隣のいすみ市まで行かなきゃいけなかったりしたので、勝浦にもホームセンターがあったらいいなとは思いました。それ以外は特にないですね。今の時代だと、欲しいものはネットでなんでも買えるのでそこまで困ることはないんです。

 

−  勝浦では元々2拠点という形で生活されていましたが、完全移住にあたって何か不安はありましたか?

  田井さん

最初はやっぱり仕事ですね。勝浦で何の仕事があるんだろうと不安に思っていたので。そこさえ払拭できればすごくいい環境だし、とてもいい街だと思います。

 

ただ、お塩の事業をやってみてわかったことは、選択をすることが大事だということ。人間っていろんな選択の中で自分の人生が形成されていくと思うんです。僕は若い頃からそこまで苦労という苦労をしてきませんでした。楽な方、楽な方に行っていたのかなと自分でも思っていて。でも、今回ばかりは昔の自分なら絶対に選ばないようなお塩作りをしようと選択し、覚悟してやろうと始めたんですよね。そうしたら周りの人たちがいろいろと協力してくれて、気づいたら成せていたんです。

 

今、勝浦に移住して何かを始めたいと思う人は、人が選択しないようなことをやっていけば、それがビジネスになるのかなと思います。必ずしもお金になるのかはわからないですけど。実際、お塩も僕さえひとりで暮らしていけるならという規模感で最初は始めているので、そこまで求め過ぎなければ何でもできるんじゃないかなと思いますね。

 

−  周りの方々との繋がりによって今があるとのことでしたが、人との繋がりというのは勝浦では大切になりますか?

  田井さん

特に地元の人を大切にしないといけないと僕は思っています。移住者だけのコミュニティもあるんですけど、やっぱり最初からずっと勝浦にいる方々へのリスペクトというか、尊敬の意を込めて、地元の人たちを絶対に大切にしなければいけないと思っています。地元のネットワークはすごく大事ですしね。共存というか、勝浦を好きな者同士、勝浦を良くしていきましょうという気持ちは大切にしていきたいです。

▲2023年9月16日、田井さんが住んでいる沢倉地区の澤倉八幡神社の例大祭の様子。「地元の方々のおかげで御神輿を担がせていただきました。 大変光栄な時間でした。 参加者の皆様や関係者の方々には感謝してもしきれません。」と田井さん。
   
想い理解してくれる素晴らしい街

 

−  今後も勝浦で暮らしていくにあたって、こうなったらいいなと思うことは何かありますか?

  田井さん

あまり生意気なことは言えないのですが、根本的なインフラの話で「道がない」ということはよく考えます。道があれば、観光客だったり、外からの人がもう少し流入するんじゃないかなと。

 

あとは、住む場所がないんですよね。移住希望者さんがいつも困っているのは「家族で移住したいんだけどファミリー向けの物件がない」という悩みです。国際武道大学の学生さん向けの単身用アパートはあるんですが、ファミリーの住めるアパートや一軒家が少ないので、そういった物件を拡充できるといいなとは思います。古民家を再生している方も多くいるみたいなんですが、そこが中々マッチしていかないみたいで。どうしたらもっとマッチできるんだろうと考えたりしますね。

 

あとはやっぱり仕事ですかね。僕もお塩の事業を大きくして、なるべく雇用を生めるようにできればいいなと思っています。

 

−  勝浦の好きなところを教えて下さい。

  田井さん

勝浦の人って勝浦弁で言葉がキツいと言われることが結構あるんですけど、僕は逆にそれが好きで。特に、「あんだおー」という言葉が好きなんですよ。「なんだよ、どうしたんだよ」という意味なんですが、東京で「なんだよ」と言われたらちょっと怖いじゃないですか。でも、勝浦弁の「あんだおー」って「どうしたんだい?」って優しい気持ちがこもっているような気がして、その言葉の中に愛情を感じることができて、すごく好きですね。

 

− 最後に、勝浦へ移住を検討している方々にメッセージをお願いします。  

  田井さん

勝浦に限らずどこで生活していても"対人(たいひと)"なので、必ず自分から挨拶をしてその輪に入っていったり、尊敬することが大切なんじゃないかなと思います。よそ者って、どうしても「お前は誰なんだ」から始まってしまうじゃないですか。だから、「自分はこういう人で、こういう考えを持って勝浦にいます。勝浦が好きだからいるんです」という想いを周りの人に伝えられるといいのかなと思います。勝浦で起業したいという強い想いさえあれば、みんな分かってくれて協力してくれる素晴らしい街だと僕は思います。応援しています!

 

−  田井さん、本日は貴重なお話をありがとうございました! 

  田井さん

ありがとうございました!

 

 

インタビュー日:2023/11/7
インタビュアー:勝浦市企画課移住定住支援班
編集・写真:勝浦市地域おこし協力隊 大和田里奈
写真提供協力:田井さん


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